スーパープレミアム認証事業所
スーパープレミアム認証事業所
株式会社フジコソ
業種/製造業 従業員数/77人 女性比率/25%
スーパープレミアム認証達成項目
Project 1
管理職に占める女性労働者の割合が国の定める産業ごとの平均値以上
Project 2
正社員への転換実績又は正社員として再雇用し、再雇用後6箇月以上継続して就業している
Project 3
出産した女性労働者の就業継続率が80%以上
Project 4
男性労働者の育休取得率100%
家電製品や自動車部品、食品など幅広い業種で使われる自動省力化装置の設計製造を手がけています。女性や外国人が活躍し、若い人が働きやすい環境づくりのための積極的な取り組みは、人材確保にもつながっています。
管理職に占める女性労働者の割合が
国の定める産業ごとの平均値以上
ロールモデルの誕生により女性社員の意欲が向上
かつては社員のほとんどが男性で、女性社員は事務職の2、3名でした。女性の管理職登用の前に、女性を技術職で採用するというステップがありました。8年ほど前に技術職を希望する女性が入社。その社員が仕事に取り組む姿勢や積み上げた結果が、これまでの男性中心のありように変化をもたらしました。
男性社員のアシスタントとしてではなく、女性社員が男性と同等の業務を行うようになり、男女公平な人事評価基準を策定し、リーダー育成のための管理職研修も男女の区別なく行うようにしました。その結果、女性管理職のロールモデルが誕生し、彼女の活躍がきっかけとなり、女性社員のキャリアアップ意欲が高まりました。女性のキャリア形成を支援するため、様々なライフイベントに対応できる環境整備を進めました。仕事と家庭の両立支援のための制度も導入し、長期的なキャリアが築ける環境づくりを推進しています。
正社員への転換実績又は正社員として再雇用し、再雇用後6箇月以上継続して就業している
評価に基づいた正社員転換を積極的に提案
そもそも女性が少なかったこともあり、パート社員はほんのわずかでした。そのため、パート社員に対する評価がきちんと行われていませんでした。そこで、人事担当者が直属の上司や部門長からヒアリングを行い、正社員への転換を検討する仕組みを導入しました。そして、活躍が期待できる人には正社員としての働き方を積極的に提案しています。
長く製造部門で働いていたパート社員の女性は、現状の働き方に不満もなければ、正社員になることをめざすという考えもなかったようですが、こちらからの提案を受けて正社員へ転換しました。その女性社員は面談の際に「私なんかがいいんですか?」「正社員になれるとは思っていなかった」と話していました。その声によって、キャリアプランを考えるためのサポートの必要性を実感しました。
今後も、社員それぞれの事情や希望に合わせた働き方で活躍してもらうため、一人ひとりの思いを吸い上げながら、それに応じたサポートをしていきます。
出産した女性労働者の就業継続率が80%以上
支え合う社内風土の醸成と支援制度の拡充
育休フローの確立や育休制度の周知を図り、働き方や社内風土を変える取り組みを進め、出産・育児に臨む社員が育休を取得しやすい環境をつくっています。また、仕事復帰の際の不安を解消するためには、育休中の社員と会社とのつながりが大事であると考え、定期的に面談を行ったり、社内報を届けたりするなどの方法でコミュニケーションをとっています。
子育てと仕事の両立を支援するための制度を拡充し、育休を終えて職場復帰した社員が直面するさまざまな状況に対応できるよう環境を整えています。たとえば、保育園の送迎やお子さんが急病になった場合に、業務を調整したり、仕事を引き継いだりできるように情報を共有。育児中の社員と、そうでない社員に摩擦が起こらないよう、両方に対するサポートを行い、支え合う関係性を育んでいます。
男性労働者の育休取得率100%
理解を促す情報発信と心理的安全性の向上
ワーク・ライフ・バランスを重視した働き方を前提に、男性の育休取得を促しています。男性育休に対する意識改革と考え方のアップデートを目的に、取得の必要性やメリットについての周知を図りました。全社員に、制度の内容や何のための休暇なのかを理解してもらうために、社内報に記事を掲載します。パパママ座談会を開き、そこで出た感想や意見の配信も行っています。育児休暇についてできるだけ具体的に知ってもらうことが大事だと考えています。
取得する側とフォローする側のどちらも必要性を理解することが、取得しやすい環境整備につながります。また、ハラスメント研修の実施や相談窓口の設置で、心理的な安全性の向上も図っています。
目標達成のプロセス
1
女性活躍のロールモデルの創出
2
ワーク・ライフ・バランス重視の働き方を示す
3
制度の新設や見直しによる働きやすい環境づくり
4
多様な立場や声を伝えるための積極的な情報発信
専務取締役
冨岡 怜奈
2017年入社
技術者になる夢を持って、未経験で入社。先輩の指導のおかげで技術者になれましたし、柔軟な考えの経営者がアイデアを実現させる機会も与えてくれました。今は、誰もがその人らしく働ける会社づくりが目標です。
管理職になった経緯は?
手に職をつけたいという思いで入社し、設計者として生きていくための成長を考えて仕事に臨んでいました。先輩方に教えてもらいながら経験を積み、そのうちプロジェクトリーダーを任せてもらえるようになりました。機械・プラント製図CAD1級技能士などの資格取得にも挑戦し、社内の勉強会にも参加。2022年に管理部長兼構想設計チームリーダーに就任しました。評価してもらったことに加え、女性管理職のロールモデルの役割を期待されての登用だと思います。
管理職になって苦労したこと、うれしかったことは?
管理職になった当初は、世の中のジェンダーバイアスに悩まされました。その背景には技術者として先輩方に認められた上で役職に就きたかったという強い思いがあり、自身の経験や能力が十分でないとの思いが影響してもいました。対外的なことや社内改革などの成果が出たことには喜びを感じています。「ひめボス」のスーパープレミアム認証や厚生労働大臣認定の「ユースエール企業」も、成果の一つです。人材育成に携わり、後輩の成長する姿を見るのもうれしいです。
管理職になっての変化と今後のビジョンは?
視座が変わり、新しい世界が開けました。技術を身に付けることを目標とし、自分の成長だけを考えていましたが、誰もが働きやすく、成長できる会社づくりに取り組むようになりました。さらに、最近は経営の視点も加わり、社員の幸せにつながる取り組みを支えるための経営の重要性を認識し、会社の未来づくりへと考えが広がっています。
今後も良くしていくためのアイデアを実現させていきたいですし、ジェンダーギャップや様々な格差に悩む人をサポートしていきたいです。
代表取締役会長
藤社 司
2025年就任
性別や年齢、国籍を問わない採用と、それに合わせた環境の改善によって、大きな変化が起こりました。人を思い、働く人の声を聞き、良いと思うことを柔軟に取り入れる姿勢で、社員も会社もより良くなっていく未来をめざします。
認証取得に向けて取り組んだことは?
人材不足の課題を解決するために、多様な人材の採用と活躍に取り組むなかで、働きやすい職場づくりやワーク・ライフ・バランスを重視した環境整備を進めてきました。技術職初の女性社員をはじめ、社員から出される意見やアイデアを取り入れ、社内報の発行や定時で退社できる環境づくり、さまざまな事情に対応できる休暇制度やキャリアアップを支援する制度を整えるなど、社内の風土づくりや制度拡充に取り組んできました。その結果の一つが、認証取得です。
この取り組みによる成果を教えてください。
採用の応募数が増えました。社内改革に積極的に取り組む前は10人に届かなかったのですが、翌年からは平均して30人くらいの応募があります。女性社員の数も増え、女性の技術職、管理職のロールモデルが誕生したことにより、そうしたキャリアをめざす女性社員も出てきました。仕事と家庭生活の両立を支援する環境が整ったことで、社員の定着率向上にもつながっています。また、取り組みがメディアで報じられる機会などがあり、会社の認知度も上がったように思います。
目標や夢をお聞かせください。
長年培ってきた技術を継承するとともに、新たな技術開発に努め、それらを活かしてお客様のご要望に応えるものづくりを続けていきたいと思います。少子化が進むなか、企業の継続には人材の確保と育成が大変重要な課題であることは間違いありませんから、そこに注力し、時代の変化に対応できる組織づくりにも努めます。国籍や性別、年齢を問わず、すべての社員が互いに支え合い、それぞれが思い描くキャリアプランを実現できる会社に成長させていきたいです。
企業情報
社名
株式会社フジコソ
住所
〒791-0312 愛媛県東温市則之内字段乙2309
TEL
業種
製造業
従業員
77人